ブレイブ・ストーリー/宮部みゆき

ブレイブ・ストーリー/宮部みゆき

私の一番好きな小説です。

社会派ミステリー作家の宮部先生ですが、時代物やファンタジーなどいろいろな分野の小説を書いてます。ブレイブストーリーは宮部先生の最初のファンタジーなんじゃないかな?

これファンタジー小説なんだけど、上中下の3巻のうち上巻のほとんどは主人公ワタルの両親の離婚話に終始します。重いです、どろどろしてます、ほんと大人って身勝手。普通のファンタジーを期待して読み始めた人は、上巻を乗り切るまできついんじゃないかな?だけど、だからこそ、「こんな現実僕が変えてやる!」ってファンタジー世界に飛び込むワタルの気持ちがよくわかります。

ファンタジー世界のほうも、仲間と楽しく冒険している時もありつつ、時にすごく重い展開になったりもします、現実世界の離婚話とのリンク(ネタバレになっちゃうのでここまで)もあるし、ファンタジー世界の中の人の悪意もあります。宮部さんは人間の悪意を書くのが本当うまいですね。

結局のところ、ファンタジー小説ではあるものの、宮部先生は現実の話を書いているんですよね。どうにもならない現実の問題に襲われたときに、どう対処するのか、どう自分の心と向き合うのか。それこそが勇気なのです。ワタルの勇気が冒険の最後に何を選択するのか、ぜひ読んでみてほしいなぁ。

アニメ映画にもなりましたが、こちらはまあまあといったところかな。悪くはないんだけど、前述のすごく重いシーンとか削られちゃっていて、ずいぶんと簡単な話になってしまいました。ワタルの選択もちょっと変わっちゃってるし。まあ、もとのままでは小さい子には厳しいだろうし、仕方ないかな。あと、Aqua Timezが歌う主題歌「決意の朝に」はすごくいい歌でした、これもおすすめです。